江戸前新ノリ収穫間に合わず
残暑余波、お歳暮商戦に異変か
東京新聞 平成12年11月26日(日)朝刊
 歳末商戦も間近だが、お歳暮用品の定番、新ノリの出荷が例年より二十日程度遅れていることが二十五日分かった今年の猛暑などの影響とみられ、東京湾産の江戸前ノリの大半を扱う千葉県産の初競りは前年の半分程度にとどまった。同県富津市のセリに参加したノリ業者からは「収穫がずれ込むと値段が高騰し、客離れする。これも地球温暖化のせい?」と恨み節も出始めた。
 富津市の県漁連のり共販事業所で二十二日に行われた初競りの出荷量は、昨年の半分程度の約三百二十四万枚。品薄感から平均価格は三千二百三十六円(百枚)で高値だった昨年よりさらに百二十円上がった。
 ノリは一六度以下の海水温や日照時間などが生育に不可欠。東京湾は今年、秋になっても海水温が下がらず、例年なら十月下旬に始まる海苔の収穫が十一月中旬までずれ込んだ。
 御歳暮用は柔らかい新ノリが採れる十一月のものが中心で、アサクサノリの伝統を引き継ぐ江戸前ノリは人気が高い。ところが、初冬のノリの生産量が減少し、新ノリ相場は急騰。同共販事務所の初競りは例年、百枚当たり二千−二千五百円だったが、昨年は三千円台、今年はさらに高騰した。産地のトップを切り十五日に宮城県で行われた新ノリの初競りもやはり、平均価格が昨年より一割程度高い千百九十五円(百枚)で取引されたという。
 全国漁業協同連合会は今月末までの全国出荷量が三億ー四億枚と昨年より一億五千万枚減少すると予測。関係者は「昨シーズンの在庫がだぶつき、保存状態のいいものが新ノリとして今年のお歳暮市場に出回りかねない」と心配している。